第4回 分子病態学セミナー
蛋白質や核酸の異常凝集をターゲットとした神経変性疾患の治療戦略
近年、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ポリグルタミン(PolyQ)病などの多くの神経変性疾患において、蛋白質のミスフォールディング・凝集により神経変性が引き起こされるという共通の発症分子メカニズムが考えられている。一方でノンコーディングリピート病では、遺伝子非翻訳領域内の異常伸長リピート配列から転写される異常リピートRNAが凝集し、さらにリピート関連ATG非依存性(RAN)翻訳により異常ペプチドが産生されることが明らかになった。本講演では、このような蛋白質や核酸の異常凝集をターゲットとして、私たちが進めている神経変性疾患の治療戦略を紹介する。
*永井先生は神経変性疾患に見られるタンパク質凝集体形成機構の解析で先駆的な研究を発信されています。今回、ご来学の機会を得ましたので、多数の来聴をお待ちしています。